成熟期の女性に起こりやすい病気
平成21年10月29日(木)
成熟期とは19~40才の女性で、この時期は卵巣ホルモンの分泌が順調になり、月経周期も安定し心身共に安定し、結婚・妊娠・出産・育児と女性にとって最も充実した時期となります。
1.不妊症
夫婦が妊娠を希望し2年以上夫婦生活をしているにもかかわらず妊娠しない。
正常では1年で80%, 2年で90%妊娠。原因は男性因子、女性因子双方がある。
2.子宮筋腫;子宮筋層に発生する良性腫瘍。エストロゲン依存性腫瘍。
生殖年齢(35~40歳代)の20~25%に発生する。
【症状】過多月経、貧血、不正性器出血、月経困難症、膀胱・直腸の圧迫、不妊
【種類】粘膜下筋腫(5~10%)筋層内筋腫(70%)漿膜下筋腫(10~20%)
【診断】超音波検査、MRI、CT
【治療】①経過観察(6ヶ月毎)②薬物療法③手術:筋腫核出術(腹式、腹腔鏡)
子宮全摘術(腹式、膣式、腹腔鏡)④FUS(超音波熱凝固)
⑤UAE(子宮動脈塞栓術)
3.子宮内膜症;子宮内膜様組織が子宮内以外に発生。不妊症の原因になりやすい。
【症状】月経痛、下腹部痛、性交痛、排便痛、不妊
【種類】①内性;子宮腺筋症②外性;卵巣チョコレート嚢腫、腹膜(骨盤腹膜)
【診断】超音波検査、MRI、CT、腫瘍マーカー
【治療】①偽閉経療法②偽妊娠療法③保存手術(腹腔鏡、開腹)
④根治手術(腹腔鏡、開腹)
4.子宮頸ガン;子宮頚部に発生する悪性腫瘍。人パピローマウイルスとの関連。
従来は、30~40歳代が好発年齢であったが最近は20歳代に増加傾向。
【症状】初期は無症状。セックスによる接触出血など不正出血。
【診断】①細胞診②組織診③MRI(病変の広がりを診断)
【治療】①手術療法;円錐切除、単純子宮全摘術、広汎性子宮全摘術
②放射線療法;外照射、腔内照射 ③化学療法
5.卵巣ガン;各年齢に発生。大変発見しにくいガン。
【症状】無症状が多い。腹部膨満感、下腹部腫瘤感、圧迫症状、
【診断】超音波検査、MRI、CT
【治療】①手術療法②化学療法
6.不正出血;月経以外におこる出血
【種類】機能性出血;ホルモンのバランスの乱れによって起こる。
器質性出血;病気によって起こる。Ex,子宮ガン、子宮筋腫、子宮頚管ポリープ、
膣部びらん、など。
【治療】止血剤、ホルモン治療
成熟期女性に起こりやすい病気の症状
成熟期の女性の症状の主なものと、その病気について自分で判断できる様に解説。
1) 帯下;自覚症状でおりものの性状によって判断。
痒みを伴う;白色、酒粕様・・カンジダ膣炎。黄色、泡沫状・・トリコモナス膣炎。
痒みが無く臭いがあり膿様;クラミジア頚管炎。非特異性膣炎。淋菌性膣炎。子宮内膜炎。
血性;子宮膣部びらん。子宮がん。
2) 外陰部痒み;全身性疾患と局所疾患がある
全身性疾患;糖尿病。外陰ガン。ストレス。薬疹。
局所疾患;膣炎(カンジダ・トリコモナス)。外陰炎。
アレルギー性・・接触性膣炎。下着・洗剤による。
3) 月経異常;正常月経・・25~38日周期、6日以内の変動
周期の異常・・頻発月経:24日以内の周期
希発月経:39日~3ヶ月周期
不整周期:変動幅が7日以上
原発性無月経・・18才で初経を見ない。
続発性無月経・・月経が3ヶ月以上停止したもの。
月経血量の異常・・過多月経:子宮筋腫(粘膜下筋腫)子宮内膜増殖症。
子宮腺筋症。子宮内膜ポリープ。内膜ガン。
過少月経:機能性 無排卵。卵巣機能不全。
器質性 子宮内膜炎など
4) 不正性器出血;月経に関係なく出血。
妊娠による;流・早産。子宮外妊娠。
機能性出血;原因となる病気がなく卵巣の機能が悪くて出血。
器質性出血;子宮から・・子宮内膜ポリープ。子宮内膜症。子宮筋腫。子宮ガン。
子宮外・・子宮頚部・膣部:子宮膣部びらん。頚管炎。頚管ポリープ
膣:外傷。膣炎。
5) 下腹部痛;月経、食事、排便、性交などと関係があるかどうか?
妊娠;流・早産。子宮外妊娠。
痛みの部位;子宮・・子宮内膜炎。子宮留膿腫。子宮内膜症。子宮筋腫。
卵巣・卵管・・付属器炎。卵巣嚢腫茎捻転。
その他・・虫垂炎。尿管結石。
6) 腰痛;月経との関連がある場合が多い
月経時;機能性月経困難症(病気の無いもの)。子宮内膜症。子宮筋腫。
月経以外;骨粗鬆症。泌尿器疾患。整形外科疾患。 以上主なものを列挙。
(2009年10月29日更新)



